木はいいなぁ
 ユードリイという人が文を書き、シーモントが挿絵をつけたこの絵本は、題名どおり、"木"のすばらしさを実感させてくれる絵本です。お話は表紙から始まっていて、犬に追いかけられ駆け上った木の上から、猫が「ざまあみろ!」と犬を見おろしています。もっとも我が家の猫どもは強いので、あまりこういった光景は見られません。 

 昨年、シーズン・オフに菊池渓谷を歩きました。小雨の中、何百年も前から生きつづけているであろう、うっそうとした木々を見上げて、圧倒されました。今では身近にほとんど残っていない、すばらしい原生林の一つだと思います。つまり、あとから植えたり切ったりしてないからこそのものではないかと思います。

 そうは言っても、私たちが西原村に引っ越して来た時、我が家の土地は一本の木もないサツマイモ畑でした。草花を育てるうちに、どうしても木が必要だと言うことがわかってきました。

 イングリッシュガーデンなるものを写真で見ると、何十年、何百年もたったような立派な生垣があってこそ、その手前の草花の鮮やかさが引き立ち、古いりんごの木があってこそ、その木にからまったピンクのつるばらがとても魅力的に見えます。それに落葉樹の木陰で涼をとるのは、決して人間だけでなく、真夏のカンカン照りに弱い草花だって同じです。

 北側の土手に生えていた小さな雑木が(名前を知っているだけでも、山栗、山桜、えごの木、どんぐり、ごんずい、さざんか、はぜの木、木いちご、たらの木、楡の木、とかなりの種類があります)が、今ではかなり大きくなって、四季折々に目を楽しませてくれます。

 カンカン照りの庭にも、水前寺からもってきたかえでやつばき、さざんか百日紅、梅のほかにやまぼうし、花水木、姫シャラ、藤、ブナ、、柿や、ブルーベリー、いちじく、びわ、ゆず、と実のなる木も植えました。

 さんざん手をかけて、丈も幅も1メートルまで育てたラベンダーが、昨年の長雨で枯れてしまったあとには、20本ほどのお茶の木を植えました。ヨボヨボになる頃には、立派にそだってボーダーガーデンのまねごとができるかもしれないと夢見ています。
(執筆 小宮楠緒 2000年3月)