にぐるまひいて
 ここ西原に移り住んでから、居ながらにして自然の移り変わりがわかります。特にこの季節になると、木々が一勢に葉を広げ、花が咲き、周りの様子が刻々と変わっていくことに驚かされます。

 私の大好きな絵本の一つに、バーバラ・クーニーという人の描いた、「にぐるまひいて」というのがあります。昨年の秋、犬と散歩の途中、このページと同じような風景(ダムに紅葉が映っている)をみつけて、鳥肌が立つほど感激しました。自然と共に生きていく、このような絵本に引かれるのは、どんなに表面では他の生きものとの差をつけようとしても、人間は結局、自然の中の生きものの一つに過ぎない、ということだからでしょうか?

殊勝にも 
 木々や草花は、根をはったり種をおとしたりして、次の年には大きく育っていきます。果たして人間は、しっかりと根をはったり、種を播いたりして、次の世代のために何かをしているでしょうか? 

 地面の下で、草花が生きつづけるように、目に見えないところでも、その人の心が生きつづけるような生き方をしたい、などと言うと笑われるかもしれませんが、自然の中にいると、時々殊勝にもそんなことを考えてしまうのです。
(執筆 小宮楠緒 1999年5月)